飛鳥京
飛鳥京とは、6世紀末の推古朝から7世紀末の天武朝にかけて、飛鳥地方(現奈良県明日香村)に諸天皇の宮殿が置かれた都の総称を指します。本研究の復元範囲には、天武・持統天皇が営んだと言われる浄御原宮、その中心であるエビノコ郭、五重塔を備える飛鳥寺、飛鳥川河畔の飛鳥苑池、石神遺跡などが含まれます。
飛鳥京復元CGモデル
飛鳥浄御原宮
飛鳥京の宮殿地域は発掘調査により時期の異なる遺構が重なって存在することがわかっています。本研究では672〜694年の遺構と考えられている伝飛鳥板蓋宮跡III-B期の建築物の復元を行いました。 III-B期の浄御原宮は、III-A期(後飛鳥岡本宮)の内郭の南東に東西94m、南北55mのエビノコ郭を増設した段階の宮殿です。 宮域は南北720m、東西100〜450mの範囲に広がり、外郭内と宮域の周辺には苑地や官衙が立ち並んでいたと考えられています。
浄御原宮復元CGモデル
エビノコ郭
浄御原宮正殿
国指定史跡川原寺跡
川原寺(弘福寺)は飛鳥時代に飛鳥寺、大官大寺、薬師寺とともに飛鳥四大寺に数えられた官寺で、7世紀頃の創建と考えられています。昭和32、33年に発掘調査が行われた結果、2つの仏殿と塔を含む大きな寺院であることが明らかになりました。中金堂の南に西金堂と塔が対面する独特の配置は、川原寺式伽藍配置と呼ばれています。また川原寺には瑪瑙の礎石と呼ばれる白大理石製の非常に珍しい礎石があります。
川原寺復元CGモデル
現在の川原寺の様子
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